ABOUT 01
溶融亜鉛めっきとは
溶融亜鉛めっきは、鋼材を、溶かした亜鉛に浸し、表面に亜鉛の皮膜を作る技術です。
亜鉛めっきを施した鋼材は、錆びや腐食が発生しません。そして、塗装や電気めっき等とは異なり、亜鉛と鉄との間にできた「合金層」により、亜鉛と鉄が強く結合しているため、長い年月を経てもめっきが剥がれることがありません。
溶融亜鉛めっきには、「保護皮膜作用」と「犠牲防食作用」という2つの大きな特徴があります。
保護皮膜作用
さびを防ぐ「保護皮膜作用」は、亜鉛めっきの表面にできる亜鉛の酸化皮膜が、空気や水を通しにくい安定した性質を持っているため、さびにくくする作用です。
犠牲防食作用
腐食を防ぐ「犠牲防食作用」は、亜鉛めっきに、万一、キズが発生し、素地の鉄が露出したとしても、キズの周囲の亜鉛が「鉄より先に溶け出して」電気化学的に保護するため、鉄を腐食させない作用です。
ABOUT02
メリット
鉄の表面に亜鉛を被覆する溶融亜鉛めっきの利点は次のとおりです。
- 1優れた耐食性溶融亜鉛めっきは耐食性が非常に優れています。溶融亜鉛めっきは、被膜表面に生じる緻密な保護被膜と電気化学的犠牲防食作用によって、大気中・淡水中・海水中・土壌中の鉄鋼製品を錆から守る働きをします。各環境のもとで充分に防錆効果を発揮しています。用途も土木建築・電力通信関係・鉄道・船舶・冷暖房関係・農業・畜産関係と広範囲に利用されています。
- 2経済的に有利な防食方法塗装の場合、仕様により差はありますが、5年又は10年のスパンでケレン再塗装が発生します。溶融亜鉛めっきメンテナンスフリーで、経済的に最も有利な防食方法といえます。
- 3優れた密着性溶融亜鉛めっきは鋼鉄素地と亜鉛の反応によって密着していますので、通常の取り扱いでは、衝撃・摩擦によって剥離することがありません。
- 4隅々までの均一性溶融亜鉛めっきでは隅から隅まで均一にめっきします。
パイプの内面や、タンクの内面などの中空体で目に見えない部分、手の届かない部分でもめっき出来ます。パイプの溶接構造(手すり等)の場合、内部が貫通されているか、外側に対し孔加工が必要となります。
ABOUT03
優れた点
経済性に優れためっき処理方法
溶融亜鉛めっきは、長期間にわたって防食効果を発揮いたしますので、特殊な場合を除き 補修作業は不要です。
したがって他の方法よりも経済的です。
塗装(例1) | ・鉛系さび止め塗装2層 ・フェノール系MIO塗装1層 ・塩化ゴム系塗装2層 |
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塗装(例2) | ・鉛系さび止め塗装1層 ・フタル酸樹脂塗装2層 |
塗装(例3) | ・ジンクリッチプライマー1層 ・エポキシ樹脂塗装2層 ・ウレタン樹脂塗装2層 |
優れた密着性
溶融亜鉛めっきは、鉄鋼素地と亜鉛の合金反応によって密着していますので、通常の取扱いでは衝撃・摩擦により剥離することがありません。
ABOUT04
付着量品質
膜厚と付着量との関係
膜厚(この規格による) | 付着量[旧規格による] | |||
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種類の記号 | 膜厚(㎛) | 種類 | 記号 | 付着量(g/㎡) |
HDZT 35 | 35以上 | 1種 A | HDZ A | 250以上 |
HDZT 42 | 42以上 | 1種 B | HDZ B | 300以上 |
HDZT 49 | 49以上 | 2種 35 | HDZ 35 | 350以上 |
HDZT 56 | 56以上 | 2種 40 | HDZ 40 | 400以上 |
HDZT 63 | 63以上 | 2種 45 | HDZ 45 | 450以上 |
HDZT 70 | 70以上 | 2種 50 | HDZ 50 | 500以上 |
HDZT 77 | 77以上 | 2種 55 | HDZ 55 | 550以上 |
- 旧規格では、2種について付着量を規定している。
- 1種の付着量は、HDZ Aの平均めっき膜厚の平均値(35㎛)またはHDZ Bの平均めっき膜厚の平均値(42㎛)に、めっき皮膜の密度を7.2g/㎤として、これに乗じた値を示す。