- 21.亜鉛めっき後の曲げ加工は?開く
亜鉛めっき層は、純亜鉛層と合金層からなります。その亜鉛層および合金層の伸びには限界があり、それを超えるような過酷な曲げ加工の場合、めっき層に亀裂や剥離を生じることがあります。
水配管用亜鉛めっき鋼管の規格や、外国の一部の規格(BS)に曲げ試験が規定されております。その規格によると、曲げ内側半径が管の外径の8倍で90度にまげられるものです。この規格でもわかるように、曲げは比較的大きな曲げ半径で曲げられています。
めっき層の曲げに対する剥離要因は、曲げ半径および曲げ角度が大きな要因であり、曲げ半径が小さくなるにしたがって、めっき層は剥離しやすくなります。曲げ加工性はめっき条件によっても影響されるので、めっき条件を考慮する必要があります。
曲げ加工性を良くするには、合金層の成長をできるだけ抑え、純亜鉛層を均一につけなければなりません。このためには、めっき温度を比較的低温度にし、浸せき時間もできるだけ短くし、また、めっき後できるだけ早く冷却する必要があります。しかしながら、めっき製品の曲げ加工には限度があり、過酷な曲げ加工をされる場合は、めっき前に曲げ加工を施してめっきされることが望ましく、やむを得ずめっき後、曲げ加工をする場合はめっき会社の担当者と事前に充分な話し合いが必要です。なお、亜鉛めっき鉄筋の曲げ加工については、日本建築学会、土木学会から、亜鉛めっき鉄筋を用いた鉄筋コンクリート造りの設計施工指針が出されておりますので、参考にして下さい。