FAQ

溶融亜鉛めっきFAQ

23.亜鉛めっき表面が光沢を失ったり光沢にばらつきがあるのは?開く

亜鉛めっき製品は、大気中で使用しているとめっき層表面に緻密な亜鉛酸化物皮膜を形成します。亜鉛めっきが優れた耐食性をもっているのは、この亜鉛酸化皮膜が下地を保護するからです。

めっき直後の酸化皮膜は0.1 ミクロン以下と非常に薄いため、光を透過し、下地の亜鉛の光沢をわれわれの目に見せますが、時間の経過とともに次第に酸化皮膜が厚くなり光を透過しなくなり、光沢を失います。
次に亜鉛めっき表面の光沢の違いには三つの形態があります。

(1) 金属亜鉛の光沢があるものとないもの

被めっき材の材質などに起因して生じるやけの現象によるもので、部材ごとまたは部分的につや消し、または灰色などの状態となったものです。やけは鉄?亜鉛合金層(ζ層)がめっき表面まで成長して生じますが、めっき層であることには変わりはなく、耐食性上は特に問題とはなりません。なお、めっき層の断面組織についてはQ6を参照して下さい。

(2) 光沢に青色や黄色などの違いのあるもの

めっき層表面の酸化皮膜の状態によって生じます。空気中の湿気と炭酸ガスがはたらいて、できる塩基性炭酸亜鉛の皮膜は青みを帯びて見えます。めっき浴の温度が低いときは黄色、青色など様々の色があらわれることがありますが、これは酸化皮膜の干渉色であります。

(3) 花模様(スパングル)のあるもの

薄板をめっきした場合に多く見られます。亜鉛が凝固するとき結晶の核の発生にはいくらか遅速があるので、自然の凝固にまかせた場合、大小種々の花模様が入り乱れて形成されます。核の発生を人為的に操作し、規則的に花模様を形成する技術が開発され実用化されていましたが、この場合めっき後の加工性が若干低下するため、最近では加工性が良く、めっき面への塗装性も優れている、花模様の細かいものか、または全く認められないものが多く採用されています。