- 16.めっきによる歪み発生を最小にするには?開く
鉄鋼製品を亜鉛めっきすると歪みが発生することがありますが、その歪量が実用上無視できるか、許容限度内か、歪矯正を必要とするかなどは製品により異なります。
その歪みの発生の仕方、大きさに関与する要因は製品の材厚、形状、構造、寸法、溶接方法、めっき条件など数多くのものがあります。したがって、事前にしかも定量的に歪量を把握することは非常に困難ですが、一般的な歪み発生の傾向としては次のようなことがいえます。
1.構造
左右対称の構造であれば歪みは少なく、また溶接個所の少ない方が単純な歪みとなります。
2.溶接方法
溶接方法と歪みの関係は、基本的には下図のようなことがいえますが、しかし全体的な構造や溶接条件などにより発生しない場合もあります。
3.鋼材の歪み
(1)同一形状では肉厚の厚いもの、長さは短いものが歪み発生は少なくなります。
(2)同一肉厚、同一長さでは、平板、山形鋼、溝形鋼、H形鋼の順に歪み発生は少なくなります。
(3)管状物では径が大きくなりますと管長に対する歪みは少なくなりますが、真円度が悪くなります。