溶融亜鉛めっき Q&A

■ 溶融亜鉛めっき Q&A

■ 溶融亜鉛めっきの生体への影響は?
亜鉛は元々私達人間が生きていく上で必要な元素です。

生体に有効ないかなる栄養素、薬物といえども、それが過剰に摂取されれば有害となります。
亜鉛においても同様な事が言えますが、亜鉛の毒性は極めて低く、平常の摂取量と、何らかの有害な作用を示すような摂取量との間には広い幅があります。

人体への影響については、経口中毒と吸入中毒に分けることができます。
■ めっきによる歪み発生を最小にするには?
鉄鋼製品を亜鉛めっきすると歪みが発生することがありますが、その歪量が実用上無視できるか、許容限度内か、歪矯正を必要とするかなどは製品により異なりますが、その歪みの発生の仕方大きさに関与する要因は製品の材厚、形状、構造、寸法、溶接方法、めっき条件など数多くのものがあります。
したがって、事前にしかも定量的に歪量を把握することは非常に困難ですが、一般的な歪み発生の傾向としては次のようなことがいえます。
  1. 構造
    左右対称の構造であれば歪みは少なく、また溶接個所の少ない方が単純な歪みとなります。
  2. 溶接方法
    溶接方法と歪みの関係には事例がございますが、全体的な構造や溶接条件などにより発生しない場合もあります。
  3. 鋼材の歪み
    (1) 同一形状では肉厚の厚いもの、長さは短いものが歪み発生は少なくなります。
    (2) 同一肉厚、同一長さでは、平板、山形鋼、溝形鋼、H形鋼の順に歪み発生は少なくなります。
    (3) 管状物では径が大きくなりますと管長に対する歪みは少なくなりますが、真円度が悪くなります。
■ 溶融亜鉛めっきの膜厚は?
亜鉛皮膜の厚さは、その被覆方法および素材(鋼種、板厚など)によってかなり異なりますが、およそ下表のようになります。
この表からわかるように、溶融亜鉛めっきは厚くつくので、鋼構造物の寿命を考える場合、非常に有利になります。
方法素材めっき厚み(µm)
溶融亜鉛めっき構造物75~125
ボルト・ナット45~70
取付け金具35~75
75~100
12~35
亜鉛鉄板8~20
電気亜鉛めっき一般製品5~25
鉄板2~8
亜鉛溶射一般75~125
亜鉛未塗料(1コート)一般10~35
■ めっきによる歪みを取る方法は?
亜鉛めっきによる歪みの矯正は、山形鋼、溝形鋼、H形鋼、鋼管などのような単純な形状の構造であれば、長さ方向に湾曲の歪みが発生しても、矯正機でほとんど完全に歪みを取ることができますが、溝形鋼やH形鋼などのねじれなど、複雑な歪みを矯正することは困難であります。
溶接構造物で比較的単純な構造で、しかも単純な歪みであればプレス機で矯正することができますが、一般的にはめっき後、歪みを矯正することは困難です。
したがって、歪みの発生をできるだけ少なくするために、設計段階で構造や歪み防止の対策を検討しておく必要があります。
■ 溶融亜鉛めっきによる鋼の材質変化は?
亜鉛めっきの工程では鋼材の性質にはほとんど変化は生じません。
ただし、80kg/mm2以上の高張力鋼やバネ鋼のような調質型の鋼種は、酸洗時に発生する水素ガスに対して感受性が強く、酸洗には充分に注意する必要があるといわれていますが、種々の実験では酸洗による明確な性質の変化はみとめられていません。
次にめっき工程ではふつうの鋼種では変化はありません。
60kg/mm2以上の高張力鋼では機械的性質(降伏点、引張り強さ、伸び、衝撃)や疲れ強さに多少の変化は認められていますが、機械的性質の変化は規格値の範囲内にあり、鋼材の性質を変えるとは言えません。
なお、高張力鋼や調質型の鋼材を亜鉛めっする場合は、念のため事前に亜鉛めっき会社に知らせておくとよいでしょう。
■ 亜鉛メッキ表面に発生する「白さび」とは?
白さびとは、白色または白色に一部淡褐色の斑点を伴う、かさばった亜鉛酸化物が亜鉛めっき表面に形成された状態で、外観は白墨の粉が付着している感じです。
白さびは亜鉛光沢のあるめっき層が、雨や露でぬれて容易に乾燥しないような環境にさらされたときに発生します。
めっき層の全面が雨または露で均一にぬれているとき、またはぬれても比較的早く乾燥する環境下では白さびは発生しません。
めっき表面に亜鉛を腐食させる物質、例えば強酸性物質、強アルカリ性物質、有機酸、食塩などが付着するといちじるしい白さびを発生します。
海上輸送などで海水がかかっも白さびの原因となります。
白さびは、かさばった亜鉛酸化物なので、実際のめっき層の腐食が僅かでもいちじるしく腐食されているように見えます。
白さび発生部でも、その環境下から解放されると次第に脱落し、めっき表面には緻密な保護性皮膜を形成するので、耐食性にも影響はありません。
白さびの発生を防止したいときは、保管時の環境に留意せねばなりません。
すなわち雨や露にできるだけ濡らさないこと、および通風をよくして濡れた場合すみやかに乾燥させることが必要です。
■ ボルト継手部の設計は?
普通ボルトを用いる場合は一般の継手部と全く同じ設計を行います。
溶融亜鉛めっき高力ボルトを摩擦接合で用いる場合には、建築基準法に基づいた建設大臣の特認が必要です。
ただし、接合面の処理、高力ボルトの締付け等の施工管理面で、一定の条件を備えれば、そのメーカーのボルトに限り個別の大臣認可を必要とせずに使用できることとなっており、現在9社のボルトメーカーがこの一般認定の資格を取得しております。
■ 亜鉛メッキ表面が光沢を失ったり光沢にばらつきがあるのは?
亜鉛めっき製品は、大気中で使用しているとめっき層表面に緻密な亜鉛酸化物皮膜を形成します。
亜鉛めっきが優れた耐食性をもっているのは、この亜鉛酸化皮膜が下地を保護するからです。
めっき直後の酸化皮膜は0.1 ミクロン以下と非常に薄いため、光を透過し、下地の亜鉛の光沢をわれわれの目に見せますが、時間の経過とともに次第に酸化皮膜が厚くなり光を透過しなくなり、光沢を失います。
次に亜鉛めっき表面の光沢の違いには三つの形態があります。

(1) 金属亜鉛の光沢があるものとないもの
(2) 光沢に青色や黄色などの違いのあるもの
(3) 花模様(スパングル)のあるもの
■ 溶融亜鉛めっき表面に塗装はできる?
亜鉛めっきはその防食機構からも裸のまま使用することが原則的な使い方です。
しかし腐食環境の厳しいところではめっき上に塗装することが耐久性をより高める点で効果的な方法といえます。
めっきした亜鉛の側からは、表面に塗膜があるために水などからシールされて腐食の進行が遅くなり、また塗膜の側からは亜鉛の腐食が遅く、かつ腐食生成物が緻密であることから下地の痛みが少ないことになります。
このお互いの相乗効果のために、亜鉛めっき上に塗装した場合の寿命は、"亜鉛めっきだけの耐用年数"と"塗膜だけの耐用年数"の合計の1.6~2.3倍が期待されるとの研究報告があります。
このため特に長期の防せいを必要とする場合には有利な方法です。